ワラーチを履きだしてから5年以上になります(2024年現在)。
自分で履いてランに出かける分には考えたことはあまりなかったのですが、1年ほど前から、他の人のためにワラーチを作ることを始めました。
このように、他の人のためにワラーチを作り出すと、色々と新しい発見や学びがあります。
ワラーチは、良くも悪くも万能ではありません。
ワラーチはそもそも、細い紐だけで靴底を足に固定するので、接地面辺りの圧力は靴よりも高いです。それゆえ、足に合っていないワラーチの場合、その紐の足への接触面が足に合わないと、靴よりも靴擦れを起こしやすいように思います。
足に合わないワラーチを履き続けるとはどういったことでしょうか? 普通の靴を履くことに例えるならば、靴底に小石が入ったまま履いている状態であったり、靴擦れがずっと起き続けるのにその靴をはき続ける状態です。
信頼できる学術研究としてはまだ無いようですが、多くの人々の体験談や自分の実感としても、人間はどうも、靴や靴下を履かずに裸足で生活した方が、健康状態の改善はみられるようです。全身の関節の可動域が柔軟になり、足や足、体幹の筋肉もつくせいでしょうか。
しかしコレが、ゆきすぎたスピリチュアル + ナチュラル万歳思考と結びつき、ワラーチだから、裸足だから、また、ある種の作り方・履き方をするワラーチに、過剰なまでの信頼を寄せてしまったり、オカルティックな効果を煽ったり謳るを向きもあるように感じています。
つい先日もあるハイキングの会で見たのですが、明らかにワラーチが足に合わず、紐もゆる過ぎてひどい歩き方をしている女性を見ました。普段から自然志向・粗衣粗食の生活であることを語っていましたが、あの歩き方では膝痛・腰痛・肩こり、大丈夫だろうかと思いました。
また一方では、あるワラーチを履いていて腰痛がひどくなったという方にも会いました。その方は、ワラーチの製作ワークショップに出た際、売っていたプレカットソールの在庫に足が合うものなかったので、そのワークショップのインストラクターからそれでも大丈夫だろうと、一回り小さなプレカットソールを購入してずっと履いてきたそうです。
歩き方を見せて貰うとやっぱり紐が過度にゆるゆるで、靴であれば小石が入っているような歩き方をしているので、ソール板を譲り、足にあった安全なワラーチを作る作り方も教えてあげたところ、腰痛が改善されたとのことでした。
ワラーチは、写真の通り、紐だけでソールを足に固定します。ですので、作製して履いていくうちに、ソールが足に合うように変形して行きます。また、紐も履いていくうちに伸びますし、また一方、洗濯をすると縮む紐もあります。
ワラーチを履くことで、裸足の状態に近くなり、歩き方や姿勢が改善される方もいます。しかし、そもそもが人間の身体感覚はそれぞれ全然違うので、「これなら大丈夫」という万能薬は有りません。
「ワラーチの有効的な活用法」のような講座を受けても、その人が理解した内容が、その人の身体と合っていないこともあります。もしワラーチを履いても膝痛・腰痛・肩こりなどで改善がない場合には、以下のバランスケアラボさん、またはそちらの認定FBアジャスターさんがいる店舗で、あなたの身体にあったインソールを作って貰い、本当に足に合う靴を教えて貰い、改善を図ることをお勧めします。
足に合わないワラーチでよくあるケース
自分でもそうなったことがあり、また、ワラーチを履いている人で時々見かけるのが、ワラーチの前の紐が、足指をまたぎ超えてぶらぶらになる「すっぽ抜け」状態です。
普通に見て変ですし、実際とても歩いたり走ったりしづらいと思います。また、すっぽ抜けたソールが、特に舗装されていない路面などでは地面の凸凹にひっかかって危ないように思えます。
このような場合には、自分で穴開け道具(ハンマーと穴開けポンチ)を購入して、自分の足に合う穴を開けてしまう方が良いと思います。
足にとって無理のない紐穴の位置
これまでに自分自身で試行錯誤を重ね、また、幾つもワラーチの作り方講座に出て学ばせて頂いた中から、多分これならハズレの無いであろうと思われる紐穴の位置を紹介します。そもそも、前述のようにワラーチは履き始めるとどんどん変形していきます。ですので、厳密に穴の位置を決めることは無理です。
- この穴は、あなたの足の親指または第二指(手で言えば人差し指にあたる足の指)で、短い方の半分くらいの位置が良いです。
- この穴の位置は、あなたの足の親指または第二指(手で言えば人差し指にあたる足の指)の間(指間腔 / しかんこう)が良いです。
- ③と④の穴は、大体くるぶしを基準にして、そのすぐ前くらいが良いです。または、くるぶしの頂点であったり、くるぶしの後ろあたりでも大丈夫です。
もしワラーチをお持ちで、なんとなく足に合わないような気持ちが有るようでしたら、穴の位置をもう一度自分で開け直してみるのはいかがでしょうか。
ワラーチで紐ズレしたり、紐が足の皮膚に食い込んで痛い
そのまま履き続けると、皮膚が切れてもっと痛くなってしまうこともあります。
ワラーチの紐を自分で調整する必要があるかもしれません。自分で分解して紐の当たり具合を調整してみるか、ワラーチのワークショップに出て専門の人に作って貰った場合には、相談しましょう。
しかしそれでもうまく行かない場合には、前述のように穴の位置を自分で変えてみたり、紐の素材を棉の糸などの柔らかい素材に変えてみたりして、自分なりに工夫してみると良いでしょう。
それでもダメな場合には、作り方の異なるワラーチを試しているのも一つの解決法です。
ワラーチは、ネットで調べれば様々な作り方が公開されています。人間の足の形や歩き方のクセは一人一人違うので、どれかを試せば、もしかしたら自分の足に合うワラーチにを見つけることができるかもしれません。
また、そのように探求をしていくと、ワラーチの作り方に相当詳しくなると思います。そうするとむしろ、ご自分で自分に合うワラーチを自作ししまった方が良いかもしれません。
筋肉痛
ワラーチやジョギング系サンダルは、履き方にコツ(またはクセ)があります。クッションが無いので、カカトから着地して走ったり歩いたりすると普通に痛いです。
基本的に前足から着地するようになり、カカト着地をしないように教えられたり勧められたりするでしょう。
しかしそうしますと、足を始め全身の筋肉や関節、姿勢が変わることになり、人によっては様々な痛みとして現れます。
そういった痛みが現れたら、「好転反応」などと無責任な言葉を信じて履き続けるのでは無く、痛みが回復するまで、一時ワラーチはお休みすることをお勧めします。また、マッサージや、身体のクセを緩和する様々な体操などもやってみて、ワラーチによって生ずる自分の身体の動きの変化を、より無理のないものにしてゆくことが良いでしょう。
さもないと、確実にどこかをひどく痛めて病院事案になることがありますので、どうか気をつけてください。
ワラーチを自分で作ることをお勧めする理由
それは、ワラーチを作ることそれ自体がとても楽しく幸せなことなので、その楽しみの機会が無くなってしまうことです。とても勿体なく、残念に思います。
ワラーチを自作すると、自分の足の形や大きさについて初めて知ることが多いです。紐やソールの色も色々自由に変えることもできるので、自分の足を、自分の身体を、もっと好きになれるように思います。
また、誰か他の人のためにワラーチを作ってあげることとは、あなたはその時、その人のために、その人の足に合う、世界で一つの履き物をつくってあげているのです。その履き物は、その人が世界に向けて踏み出し、新しい体験と健康を得るための大変大きなサポーターとなります。
ワラーチを作らせて貰う度に毎回このことを思い、感じるのですが、それはとても大きな感動です。是非この感動を、多くの方々に味わってもらえたらと思います。
まとめ
ワラーチ作りやワラーチの履き方・使い方の素敵なところは、唯一の正解やルールは無いことです。
履いていて何か違和感を感じるようでしたら、誰かのサイズに合わせるのでは無く、ぜひその自分の違和感を信じ、自分自身にとって一番良いワラーチや、その履き方を探してみてください。
ワラーチは、誰かに依存したり、誰かが敷いたレールをなぞるためのものではないです。
自分自身が自分の道を歩むためのものです。